7重跳びのギネス記録保持者・森口明利が“8重”にこだわり、挑む理由

引用元:Tarzan Web
7重跳びのギネス記録保持者・森口明利が“8重”にこだわり、挑む理由

ジャンプするのが大好きだった少年は、ギネス記録を保持するまでに成長した。そして未だ成し遂げられないでいる8重跳びを成功させるために、日々跳び続けているのだ。(雑誌『ターザン』の人気連載「Here Comes Tarzan」、No.819〈2021年10月14日発売号〉より全文掲載)

そのロープはほとんど見えない

縄跳びのギネス世界記録にその名を留めているのが森口明利だ。5重跳び連続26回、6重跳び連続4回、7重跳び1回などが、その内容である。子供の頃に2重跳びをするのも苦労したという人も多いはず。それが…、なんと7重跳びである。

両足が地面を蹴って、空中へと跳び上がり、地上に降りるまでに足元を7回ロープが通過する。といっても、そのロープはほとんど見えない。ヒュヒュヒュッと空気を切り裂くような鋭い音が連続して響くだけだ。映像で再確認することで、回数がやっとわかるということになる。

「名が示すように、縄を跳べば、それが縄跳びです。いろんなバリエーションがあって、私のように回数を究めるのも楽しいですし、たとえばダブルダッチ(2人の回し手が2本のロープを交互に回し、ジャンパーがさまざまな技を交えて跳ぶ)も面白い。単純に音楽に合わせて跳ぶってのもいい。いろんな楽しみ方ができるのが、縄跳びのひとつの魅力だと思います」

健康にもよろしい。森口は同年代の男性に比べ、骨密度が1.5倍も高いという。骨は縦方向の刺激に対抗するように強くなるので、筋力と併せて脚を強く保てるというわけだ。

そして、この縄跳び。今、オリンピックの競技になるべく、IJRU(国際ジャンプロープ連合)によって、さまざまな努力が続けられているのだ。

「28年のロサンゼルス・オリンピックの縄跳び・ダブルダッチの正式種目を目指しています。そのためには、まずIJRUに加盟している40か国の団体が各国のスポーツ組織に加入することから始まる。

日本で言えば私も理事を務めるJJRU(日本ジャンプロープ連合)が、日本スポーツ協会に加盟するための書類を作っている段階です。それで、JJRUの理事長には増田明美さんになってもらいましたから、書類の通過まではいけそうだと思っているんですけどね(笑)」

マラソン解説の増田明美さんが理事を務めるなら心強い。ただ、オリンピック競技になっても、その種目はシングルロープフリースタイル(1人で縄を跳び、技を競う)、シングルロープ30秒スピード(かけあし=30秒で何回跳べるかを競う)、ダブルダッチなどになる予定だ。

森口が行う一度のジャンプで何重跳びができるかという種目は入っていない。それなのに、なぜこの種目を森口は追求しているのか。彼は今も8重跳びを成功させるため、ロープと日々向き合っている。その理由を聞くと、「本当に跳ぶこと、ジャンプが好きなんですよ」と、照れくさそうに笑うのだった。

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