武藤事務総長、五輪「やればできる」 コンパクト「適切でない」

引用元:毎日新聞
武藤事務総長、五輪「やればできる」 コンパクト「適切でない」

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は東京五輪閉幕から一夜明けた9日、緊急事態宣言下で開催した大会について「やればできる。新型コロナウイルス対策を乗り越えることの意義を見せることができたと思っている」と総括した。東京都内で報道陣の取材に応じた。

 大会は首都圏1都3県を含め大半の競技が無観客で開催され、日本選手団は史上最多58(金27、銀14、銅17)個のメダルを獲得した。武藤氏は「閉会式が近くなると、世論も『開催してよかった』という意見が増えてきた」との見方を示し、「『開催ありきではないか』という批判も耳にしたが、そう単純なものではない。めったにない人類の危機の中で重い決断をした」と強調した。

 五輪を終えた安堵(あんど)からか「本音」をのぞかせる場面も。やり玉に挙げたのは、会場の85%を選手村から8キロ圏内に配置するという大会招致段階の「コンパクト五輪」構想だ。2014年1月に組織委が発足し、武藤氏が事務総長に就任して以降、経費削減のため既存施設の活用に方針転換し、結果的に開催地は10都道県に広がった。武藤氏は「十何キロ先にちゃんとした施設があるのに、8キロ以内にたくさん施設を造らないといけなくなる。(コンパクト化は)一見もっともらしいが、まったく適切でないプレゼンテーションだった」と、招致決定から8年たって苦言を呈し、会場の新設にこだわらない広域開催の必要性に言及した。

 一方で、暑さ対策のため札幌市に会場が移転したマラソンと競歩では連日30度を超える猛暑、高い湿度の影響などで棄権する選手が続出した。武藤氏は「たまたま暑い時期に当たった」と述べ、移転の判断に問題はなかったとした。

 今月24日に開幕する東京パラリンピックでは、観客の入場方針について政府、東京都、組織委、国際パラリンピック委員会、国際オリンピック委員会による5者協議が近く開かれる。武藤氏は「パラリンピック観戦には教育的な意味合いがある」としつつも、「できるだけ早く結論を出したい」と述べるにとどめた。【岩壁峻】

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