大迫傑、記録破られ…五輪へ闘志に火「悔しいけど、こういう気持ちが僕を強く」/マラソン

大迫傑、記録破られ…五輪へ闘志に火「悔しいけど、こういう気持ちが僕を強く」/マラソン

 2月28日のびわ湖毎日マラソンで、鈴木健吾(25)=富士通=が日本記録(2時間4分56秒)を樹立した。日本最速の座を奪われた東京五輪代表の大迫傑(29)=ナイキ=が自身のSNSを更新し、さらなる成長を誓った。新たなライバルの快挙をたたえるとともに、日本マラソン界の可能性に期待した。

 日本最速の称号を奪われた大迫が、鈴木の快走を称賛した。日本新の誕生を受け、自身のSNSを更新。悔しさをかみしめ、成長の糧とする。

 「日本記録おめでとうございます。記録を更新されたことは悔しいけど、こういう気持ちが僕をいつも強くしてくれました」

 2018年10月のシカゴで2時間5分50秒の日本記録を樹立。同世代の設楽悠太(ホンダ)の日本記録を更新した。日本勢初の2時間5分台だった。20年3月の東京で2時間5分29秒までタイムを縮め、東京五輪切符をつかみ取った。その記録を4歳下の新たなライバルに33秒塗り替えられた。

 「強さとは自分の弱さを認めること、他人の強さを認めること。同時に自分の可能性を信じること。これを機にまた強くなれるように頑張ります」とさらなる飛躍を期した。

 2度の日本記録更新により、日本実業団連合から合わせて2億円の報奨金を贈呈された。これまでに次世代を対象とした強化合宿などを企画してきた大迫は「今回は報奨金が出ないみたいで残念だけど、力を合わせて日本陸上界のためにできることを考えていきたい」とつづった。

 東京五輪に向けた強化に励んでいる最中。代表争いに敗れた鈴木らの思いも胸に日の丸を背負う。「彼の頑張り、そしてこれからの挑戦に対して、僕らにもできることはたくさんあると思う」。近年の日本マラソン界をリードしてきた第一人者が決意を新たにした。