中央大学が挑んだ箱根駅伝、キャプテンの奮闘と1年生スーパールーキーが思い知った“襷の重み”

中央大学が挑んだ箱根駅伝、キャプテンの奮闘と1年生スーパールーキーが思い知った“襷の重み”

今年も渦まいた悲喜こもごも。箱根駅伝は筋書きがないから面白い。

箱根駅伝まで3週間、中央大学は最終合宿に入っていた。長距離の選手は総勢43人。北は北海道から南は宮崎まで全国からの精鋭が集う。食卓は上級生と下級生が一緒に囲む。聞こえてきた雑談は先輩後輩の垣根がないことを示していた。

【動画】箱根駅伝 “名門復活”を目指す中央大学、その闘いの日々に密着!/Humanウォッチャー

昔は違った。先輩は怖くて窮屈な一面もあった。それを変えたのがキャプテンの池田だ。

ただキャプテンの池田にはひとつ気がかりがあった。それは監督と選手の距離感だ。藤原監督は部の伝説的OB。箱根駅伝に4年連続で出場したのち、実業団ではマラソンで活躍した。だが実績があまりに輝かしくて部員たちには近寄りがたい存在になっていた。

キャプテン池田の改革

テレビ東京/追跡LIVE!SPORTSウォッチャーそこでキャプテンの池田は藤原監督の誕生日を狙って一計を案じる。

隠し持ったケーキを監督の顔面に!

お笑い芸人ばりのサプライズに部員たちは沸き立った。池田改革は実を結び、監督と選手の対話が増える。

池田はキャプテンとしての手を緩めない。夜は相部屋の選手を起こさぬようパソコンの明りでミサンガ作り。最後の箱根。9年ぶりのシード権を奪還して恩返ししたい。陸上では無名の高校を出たが中央大学に入ったおかげで才能が花開いた。去年まで3年連続で箱根を走れたのは藤原監督のおかげだ。

シード権は10位以内で手に入る。だが今年の陣容ならもっと上、うまくいけば3位以内も狙える。

日本陸上界の未来を担う切り札、1年生の吉居

テレビ東京/追跡LIVE!SPORTSウォッチャーその切り札が注目の新人、1年生の吉居だ。少年の面差しを残す18歳はすでに大器の片鱗を見せ付けている。去年12月の日本選手権男子5千メートルで吉居は実業団選手と渡り合って3位に入り、東京オリンピックの代表候補に名乗りを挙げる。

調整の大詰めは20キロを走る。吉居に不安材料を探すなら20キロ以上の経験がまだ少ないこと。藤原監督は箱根駅伝と同時に吉居の将来も見据えてメニューを組んでいた。この先、オリンピックでマラソンのメダルも期待できる逸材。吉居が日本陸上界の未来を担うことは疑いない。

そしてそこには、競い合い高め合うライバルもいる。吉居と同じ1年、順天堂大学の三浦。去年、3千メートル障害で日本歴代2位の記録を出し東京オリンピック出場に期待がかかる。

因縁浅からぬ同級生ライバル。吉居が三浦を意識し始めたのは高校時代だった。全国高校駅伝、花の一区。二人はともに優勝候補の強豪校に所属するエースだった。先頭集団の中ほどでレースを進める三浦に対し吉居は遅れた。スタミナが切れ、走り負けたのだ。

去年10月の箱根駅伝予選会でも日本人トップの座は三浦の手に。吉居のリベンジは叶わずそれが今も走る原動力になっている。

レース十日前、運命の日が来た。タイム測定を行ない、その結果で箱根駅伝本選のメンバーを決める。箱根を走れるのは選ばれた10名だけ。スーパールーキーもキャプテンも、現在の調子を問われる。

         

5キロ地点で離脱した選手が歩いて戻ってきた。キャプテンの池田だった。アキレス腱の故障で思うように走れず諦めるしかなかった。箱根のメンバー入りはこの時点で絶望となった。

一方、1年生の吉居は好タイム。目標の区間賞に弾みをつける。

その光景を、下働きをしながら見守ったキャプテン。チームにできることは何でもするという池田が貫く姿勢がそこにあった。

迎えた当日。期待の1年生たちは箱根駅伝の怖さを知ることになる。一区を任された吉居のライバル、順天堂大学の三浦。中央大学は吉居を3区にまわした。区間賞を期待され本人たちもそれを狙った。だが一区を制したのは三浦でなはかった。経験がものを言う箱根。スーパールーキー三浦は十位に終わる。

中央大学は1区17位と出遅れた。2区で巻き返しを計ったが大きな挽回はできず。

襷は吉居へ。何人抜くのか、期待が高まる。しかし、初めての箱根。襷の重みを吉井はここで思い知る。気負いからかペースが乱れ15キロ過ぎで足に来た。区間賞を狙ったはずが区間15位。悪い流れを断ち切れず、中央大学は往路19位に沈む。

戦いを終えそれぞれの再出発

テレビ東京/追跡LIVE!SPORTSウォッチャー最後のランナーを出迎え抱きとめたのはキャプテンの池田だった。走らなくても自分がキャプテン。池田の頭の中はチームの建て直しでいっぱいだった。復路で巻き返して10位以内に入り、来年のシード権をつかみたい。風向きは変わる。

前日から一転、のびのびとした走りで順位を上げていき、結果は12位。シード権獲得はならなかったが、復路は3位という目覚しい成績だった。

         

戦いを終えた翌朝。未来への歩みは既に始まっていた。箱根駅伝の翌朝、早朝の路上に響いた彼らの靴音。そして、池田は寮を出て地元の広島に引っ越す。まずしたいのは足を治すこと。そしてそのあとは実業団でまた自分も選手として走りたい。テレビ東京/追跡LIVE!SPORTSウォッチャー

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