エースの自己ベストを仲間4人が上回る…山梨学院大、留学生頼みを脱して箱根路復帰

 紺青のユニホームが、箱根路に帰ってくる。17日に行われた箱根駅伝予選会で、山梨学院大が2年ぶりの本大会出場を決めた。連続出場が33回で途切れて涙を流した1年前の悔しさを晴らす予選会突破。出場した全員が、持てる力を出し切り、名門復活をアピールした。(塩見要次郎)

■8人が2桁順位、チーム7位で予選突破

 1万メートルで28分28秒30の記録を持つ森山真伍主将(4年)は、チーム内の日本人ランナーとしては絶対的なエースと目されていた。ハーフマラソン(21・0975キロ)で争われた予選会で、森山は苦しみながらも自己ベストと同じ1時間3分6秒の個人74位でゴールした。先着した仲間の記録を聞いて、驚いた。

 「今までのチームベストは僕の記録だった。それを上回る選手が(個人19位だった留学生選手1人を含めて)4人も出て、1時間2分台をマークした。チームの成長を感じた」

 その後でゴールした選手も堂々とした走りだった。チーム内の8位までが、全体の個人2桁順位に入った。チーム成績の対象となるチーム内の上位10人中、10位だった選手も1時間3分台で記録をまとめた。それは、留学生ランナーの快走がチーム成績を引っ張り上げてきたイメージがある従来の山梨学院大とは、一味違うレース運びでもあった。森山は、主将らしく喜びを語った。

 「(出場した12選手のうち)12番目の選手も自己ベストを出した。選手層の底上げができたことが7位という結果につながった」

■昨年の悪夢、自信喪失の日々を越えて

 昨年の予選会は悪夢のようだった。名将・上田誠仁監督の後任としてコーチから昇格した飯島理彰監督のもと自信を持って臨んだが、まさかの17位という惨敗。上田前監督(現陸上部監督)がレース後、痛切な言葉を発したものだった。「悔しいが、勝者があれば敗者がいる。希望があれば挫折がある。来年に向け、今から努力の日々が始まる」

 指揮官として厳しい思いをかみしめた飯島監督は「私自身が自信を失った時期もあった」と振り返る。それでも、1年後に雪辱を果たすことができた。「どうしても箱根に出るんだと、学生たちが必死に練習する姿を見て、私が自信を失っている場合ではない」と、指揮官は奮起したという。そんな日々が選手たちを成長させた。

■地元の熱い応援を背に

 箱根で3度の優勝経験がある山梨学院大は地元の甲府市民に絶大な人気がある。「朝練習で走っていると『今年は頑張ってね』と声をかけられた。その熱い声援に応えられたことがうれしい」と、飯島監督はしみじみ語った。

 シードの強豪10校が加わる本大会は当然、予選会よりもはるかに厳しい戦いになる。指揮官も、それはよく分かっている。「うちの選手は設定タイム以上の走りをして予選会で7位。上のチームは強かった。箱根では、自分たちの力を発揮できればいい。ただし勝負なのだから、スキがあれば一つでも上(の順位)を目指していく」

 山梨県民の熱い声援を心の支えに、正月の箱根路で「山学旋風」を巻き起こしたい。

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