<箱根駅伝予選会のヒーロー> “名門”中央大復活へ、「スーパー1年生」吉居大和は最後の切り札か

引用元:Number Web
<箱根駅伝予選会のヒーロー> “名門”中央大復活へ、「スーパー1年生」吉居大和は最後の切り札か

 Back on Track.

 本筋に戻る、とでも訳せばいいだろうか。

 中央大学は、すでに復活していると見ていいのではないか。今回の箱根駅伝予選会での走りを見て、そう確信した。

【写真で振り返る】“スーパー1年生”吉居大和の激走&高校時代の貴重な写真

 中大といえば、箱根駅伝優勝は最多の14回を誇るが、2013年に5区の走者が寒風に晒され、低体温症で途中棄権してから歯車が狂い始めた。2015年は10区でタスキを受けた時点ではシード権復活を目の前にしていたが、アンカーにトラブルが発生し、シード圏外へ。不運にも見舞われ、苦戦を強いられた。

 シード権を逃がすと、リクルーティングにも影響が出る。私の感触では、中大が狙う有力選手は青山学院、早稲田、明治とかぶることも多く、箱根駅伝の苦戦が陣容にも影響を及ぼし始めていた。

 そして2016年、再建の切り札として、フルマラソンの日本学生記録の保持者であり、世界陸上で3回の代表経験を持つ卒業生、藤原正和氏を監督として招聘した。

4年前、まさかの予選落ち

 ところが――。

 2016年、監督の初年度に中大はまさかの予選落ち。この年は藤原監督が1年生の舟津彰馬(現・九電工)を主将にするなど荒療治を施したが、これが裏目に出た恰好となった。

 さすがに翌年からは予選会は難なく通過してきたが、昨年は予選会で10位通過とヒヤヒヤさせられる場面も。

 それでも、本戦で見せ場を作った年もあった。2019年には1区中山顕(現・Honda)、MGCにも出場した堀尾謙介(現・トヨタ自動車)というふたりの4年生が先頭争いを演じ、「ついに復活か」と思われたが、3区以降で流れを生かせず、またしてもシード権を逃した。

大学生を負かした高校3年生

「勝ち切れないですね」

 全日本の地区選考会、箱根本戦で、この言葉を何度、藤原監督から聞いたことか。

 しかし2020年、中大は変身した。変化をもたらした象徴が、1年生の吉居大和である。

 仙台育英出身の吉居は、まだ高校生だった今年3月8日に中大記録会に参加、10000mでトップになった。高校3年生が、箱根駅伝の出場経験もある大学生を負かしたのである。これには部員たちが、驚いた。

 そして7月のホクレン・ディスタンス千歳大会で5000m13分28秒31のタイムをマークし、U20の日本記録を更新。9月の日本インカレでも夏の練習の疲れが抜けない状態にもかかわらず同種目で優勝した。次ページは:初のハーフマラソンなのに……

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